東京高等裁判所 昭和40年(ネ)1836号 判決
控訴人は当審において((五))表見代理及び((六))追認の主張をなし被控訴人は右主張は時機に後れてなされたもので訴訟の完結を遅延せしめるものであるから却下さるべきものというのでこの点について判断する。
控訴人は被控訴人主張のとおり原審において表見代理その他の主張はしない旨積極的に述べておりながら当審において右主張を新たになしたものであるけれども当裁判所の認定した事実関係及び弁論の全趣旨より見て控訴人としては島の代理権ありとの主張が正しいものと信じ予備的な主張はしないと述べたものと考えられ、第一審において自己の見解と異なる判断を受けたため当審において右主張をなすに至つたものと考えるのが相当であり、右主張が控訴人の重大な過失によつて時機に後れてなされたと解するのは相当ではなく、本件事案から見て右主張によつて訴訟の完結を著しく遅延させるものとも解し難いから被控訴人の却下を求める申立は理由なくこれを却下する。
(毛利野 石田 安国)